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T I/E AR ~ティアー~ Diary

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泌尿・生殖器

P279~ 腎臓・生殖器

腎臓
○ 糸球体腎炎(動物ではびまん性糸球体腎炎のみ)
   ≪発生機序≫
    ・免疫複合体(IC)関与:III型アレルギー
    ・抗糸球体基底膜抗体が関与       の2つ
主な原因菌はレンサ球菌である。感染経路として上部気道があげられる。
 生体内で抗体過剰の状態が生じると、できあがった免疫複合体は分子量が大きくて沈降する可能性があり、全身の網内系で処理されやすくなってメサンジウム(糸球体内の細胞)にも沈着しやすくなる。
 逆に抗原過剰の状態では、可溶性の複合体が形成され、腎や他の臓器に沈着しやすくなり、糸球体基底膜に多数沈着する。
           
   ≪特徴≫
1. 糸球体腫大
2. 富核
3. 血管壁の硝子様肥厚

   ≪分類≫
  1)膜性腎症(腎炎)・・・膜性糸球体腎炎とも呼ぶ。糸球体係蹄壁の全節性肥厚が特徴的。IC沈着によるスパイク形成。
  2)増殖性糸球体腎炎・・・糸球体に細胞増殖が見とめられる。
    a)膜性増殖性糸球体腎炎:内皮側の基底膜の新生による、基底膜の二重化を伴う肥厚。
     メサンギウム細胞への免疫複合体沈着。
    b)メサンギウム増殖性糸球体腎炎:メサンギウム細胞の腫大・増殖。
    c)管内増殖性糸球体腎炎:内皮の腫大、富核。
  3)硬化性糸球体腎炎

・急性増殖性糸球体腎炎の原因として免疫複合体沈着があるが、病理像として最大の特徴はメサンギウム細胞の腫大・増殖であり他には富核や肥大が見られる。
 また、慢性に経過するとボウマン嚢上皮が増殖して上皮半月体を形成し、さらに結合織性に置換硬化し、続発性萎縮腎と言われる。

・ 中毒性の尿細管変性症は、主に近位尿細管曲部に上皮細胞の壊死硝子滴状変性、混濁腫脹、空胞変性が見られる。

・ 尿石症に続発する腎盂腎炎は、急性時には病理総論的に化膿性(間質性?)腎炎である。

・ ネフローシス(別名:尿細管変性症)は、近位尿細管における変性壊死を原発とする。

・虚血性尿細管変性症の病変はヘンレ係蹄の上行脚から遠位尿細管にかけて見られる。
 また、下部ネフロンに著しい尿円柱が形成され、HE染色で赤褐色に染まる。

・ 膜性糸球体腎炎はにより生じ、その特徴は増殖である。

* 主な腎の病気
  糸球体の病変  :糸球体腎炎
  間質の病変   :間質性腎炎
            化膿性腎炎
            肉芽腫性腎炎
            ネフローシス(腎症)

○(尿細管) 間質性疾患
1. 間質性腎炎
子牛の白斑腎:多病巣性非化膿性間質性腎炎
2. 肉芽腫性腎炎(結核、カビ、犬回虫など)
 猫伝染性腹膜炎でしばしば認められる。
 組織学的には,血管炎を伴う化膿性肉芽腫性炎で,好中球、リンパ球、形質細胞が混在するMФの集族巣が認められる。
3. 塞栓性化膿性腎炎(細菌による)
 糸球体・間質に血栓や膿瘍が多発する。

○ 腎盂腎炎(化膿性の間質性腎炎:大腸菌、コリネバクテリウム、ブドウ球菌、など)
   ⇒膀胱に病変形成 ⇒菌が尿管を通って腎盂へ ・・・上行性化膿性腎炎という

  腎盂ならびに腎実質の炎症を意味し、臨床的には血尿、混濁尿、膿尿、細菌尿などを主徴とする。
  主な変化は腎杯の炎症、壊死、変性で、これに尿細管間質の炎症と壊死が加わる。
  急性腎盂腎炎は細胞浸潤と壊死性変化を主体とし、病変は腎盂ならびに髄質に主座する。

解説38 尿毒症
 腎不全による糸球体ろ過率低下の結果、血中へ蓄積した毒性物質により生じる様々な臨床症状の総称。アンモニアの直接作用による。

解説39 DIC(播種性血管内凝固)
 組織トロンボプラスチンの放出、血管内皮細胞障害などの引き金因子によって凝固因子が活性化し、細血管に多数の小血栓が形成される。このため血小板や凝固因子が消費され減少する。次いで線溶亢進によって血栓が溶解されフィブリン分解産物(FDP)となる。FDPは抗トロンビン作用と抗血小板作用があるので血液凝固不全となる。
病理的には血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長、フィブリノーゲン減少、FDP増加など。



生殖器

○ 雄性生殖器
・精上皮腫:犬で頻繁に見られる、精巣胚細胞腫瘍。リンパ浸潤を伴うことが多く、アポトーシスを示す腫瘍細胞も多数認められる。

・セルトリ細胞腫:老犬に多い、性索間質細胞腫瘍。セルトリ細胞の基底膜に垂直に配列する、柵状配列性増殖。エストロジェン分泌作用で脱毛・雌性化。

・奇形腫:二種類以上の胚葉由来の細胞が、異常増殖すること。馬で最も多い。

* 前立腺肥大:ほとんどの老犬で見られ、年齢に正比例。結腸・直腸圧迫による排便困難から、尿道狭窄による排尿困難を呈する。エストロジェンの過剰分泌でも引き起こされるため、セルトリ細胞腫の時に認められることが多い。

* 犬可移植性性器腫瘍(CTVT)
 犬で最も多く認められる、陰茎・包皮の腫瘍。交尾伝播のため、犬を放し飼いにしている地域に多い。雌の膣でも発生。腫瘍細胞は均一な大きさで円形~多角形 ⇒ リンパ球、形質細胞と区別しにくい


○ 雌性生殖器
・顆粒細胞腫:牛に多い性索間質細胞腫。ロゼット状配列を示し、嚢胞状・卵胞模倣状増殖や、Call-Exner小体が見られることもある。

*子宮内膜症:子宮内膜組織の異所形成。
・子宮腺筋症:子宮筋層内での子宮内膜組織の増殖。

*子宮蓄膿症:子宮の急性~慢性化膿性炎のうち、子宮頚管の機能的閉鎖により膿汁が子宮腔内に貯留して排出されないもの。子宮内膜炎との区別が困難。


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